【映像翻訳】上智大学に行ってきました!~語学専門職セミナー~
2012年10月23日 13:32
今年で3回目を迎える上智大での「語学専門職セミナー」。今年はタイトルも新たに「映像翻訳の世界を覗いてみよう!」となり、先週金曜日の10月19日、上智大学キャンパス内で行われました。事前予約も100名を超え、さすが語学に強い上智大の学生には関心が高いようです。アンケートでも、参加の動機は、やはり得意な語学をいかしていきたい、映画が好きだから、などの理由を挙げていただきました。
上智大学キャリアセンターの中村様に、今回司会を担当する鈴木吉昭、映像テクノアカデミア事務局長の小柳剛、上智大外国語学部OBで、現在東北新社の翻訳室に勤務する川又勝利が次々と紹介され、スタート。
まずは業界の説明として、「日本で最初の字幕映画」の話や「映像翻訳の変遷」、「さまざまなウィンドウ」について、などなど。次から次へと出てくる話を聞くことは、この業界30年間を走り抜けたのと同じとも言えます。つまり聴講した学生たちは、いっぱしの業界人になったのも同然。
続くは上智大OBの川又講師の登場。
字幕翻訳の仕方の短い説明のあと、映像を数回見せると、学生達はすぐにスクリプト片手に翻訳を開始。
見まわってみると、皆さん結構スピードが速い。さすが現役の上智大生、飲み込みが早い。
できた人先着で3名分をSST-G1(字幕専用ソフト)に載せ、川又講師が解説。一生懸命になるあまり、説明をしたのに字幕に「、」「。」がついている人もいれば、「英語を咀嚼し、自分の言葉で表現できている」と、講師からお褒めの言葉をもらえる人までいたりして、なかなかご立派!ご協力いただいた学生の方々ありがとうございました。ほんの少しですが、翻訳する楽しさや難しさを体験していただけたのではないでしょうか。
続いては川又講師の「いかにして映像翻訳者になったか」について。
学生時代に毎日1本、映画館で映画をみた話から、アカデミアでの勉強のこと、東北新社に入社して、最初の部署である字幕演出の話、そして翻訳室への異動。1人のOBが歩んできた道のりを、淡々と、そしてはっきりした言葉で、時にはユーモアも交えて語ってくれました。OBゆえに境遇や考え方などが共感でき、とても具体的に思い描けたという感想も寄せられました。
映像翻訳者が10人いれば、翻訳者へ辿り着くルートは10通りあると思います。ですが、共通しているのは「正しい学校選択」。手前味噌になりますが、ドキュメンタリーやドラマ、映画、それもWEB配信や放送用のものから劇場公開作品まで、横にも縦にも幅広く作品を抱える東北新社のような会社が運営する学校は、映像テクノアカデミアの他にはありません。学校選択は将来への成功の第一歩と言えます。川又講師はそのいい例といえるでしょう。
続いては事前に参加予定者から頂いていた質問への回答へ。「映像翻訳者になるために大学在学中からやっておくべきことは?」などという大学生らしい質問から、「どの程度までなら意訳してもいいのか」など玄人はだしの質問まで多岐に及びましたが、分野によっては小柳が答えたり、川又が答えたり。頂いていた質問に答えているうちに予定の2時間はすでに超過。大学側のご厚意で30分延長し、「学生の時に将来自分が何をやりたいのか考え、いろいろなことに挑戦してほしい」という川又OBの言葉で閉会しましたが、学生からの質問は止まず、最後は、教室を出て廊下での対応に。
終了後のアンケートでは、語学や翻訳には自信を持っている学生たちも、字数制限や、映像にあったセリフ(字幕)作りを求められる"映像翻訳"というものの難しさに、悩んだリ楽しんだりしたようです。学校説明会時などにいつも聞かれる質問「英語力はかなり必要ですか?」に、アカデミアでは「むしろ日本語力のほうが必要です」と答えていますが、それを身をもって体験してもらったようです。
毎年、大盛況の上智大での業界セミナー。1人でも多くの方の将来の参考になり、新たな映像翻訳者が生まれることを祈ります。