【映像・広告】「AIの動画自動編集について思うこと」
2018年11月 1日 12:25
「AIの動画自動編集について思うこと」
最近AI(人工知能)を駆使して動画の自動編集をする
という開発が加速している。
私がその実例を見たのが数年前のことだった。
IBMのワトソンが映画の予告編(トレイラー)を
自動編集したとして話題になった。
プロの映画予告編編集者の編集した予告編も同時に見ることができたのだが、
その時はAI自動編集はまだまだだな!という印象を持っていた。
しかし最近になってマイクロソフトがAZURUというソフトを開発し
AIで自動編集をするための学習を始めている。
アドビはアドビセンセイがその役割を担おうとしている。
サイバーエージェントでは動画バナーを自動生成するための
アルゴリズムを開発している。
さらにいくつかのスタートアップ企業が出てきている。
例えば、オープンエイトが開発中のソフトは、
動画素材をある場所にアップロードして
タイトルを入れてその動画コンテンツに対してのテキストを
打ち込んでいけば動画の画像認識をして自動的に動画を編集し、
そこにタイトルスーパーを自動で入れるという仕組みになっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000013460.html
AIの深層学習機能を実装しているので
最初は、勘違いや間違いが起きてくるかもしれないが、
その経験値が積みあがっていけばルーチンの動画であれば
ほぼ完成に近い状態のものを作るようになるだろう。
そこからが人間の関与するところとなる。
動画制作の入り口と出口をうまくコントロールしながら
大量に動画コンテンツが生成できる。
そんな時代がもうすぐそこに来ている。
そうなれば時間ばかりかかってちっとも生産性の上がらないと
言われていた動画制作の仕事が
純粋にクリエイティブな部分のみを担うだけで良くなる。
その時に重要な知見はAIをうまく利用する論理的な知能と、
気持ちいい面白い楽しいといった感覚的な知能を併せ持つこと。
これからその両方の能力を持つことがとても重要になってくるのでは?
と思うのである。
その時に大切なのは戦後の文芸春秋の編集者
池島信平の言葉の受け売りでもあるが
「人に会え、本を読め。旅に出ろ」
まさにこの言葉に集約されるのではないだろうか?
(山下治城:映像・広告クリエイーター科)