【映像・広告】「DSJ2011 デジタルサイネージジャパン展」(@幕張メッセ)
2011年6月11日 13:45
この名前が付いた展示会が始まって今年で3年目。
INTERROP TOKYOと
IMC TOKYO(Interrop Media Convergence)の
二つの展示会と同時開催です。
毎年これから向かうべきインターネットの世界と
デジタルサイネージの方向を指し示してくれます。
今年は昨年と比べて大きな変化はなく、
クラウドコンピューティング、スマートグリッド、
セキュリティ対策、省エネ、などをテーマに
展示されているものが多かった。
強いて言うなら、3・11以降の展示会なので、
節電関連の展示が目立ちました。
そういえば、スティーブ・ジョブスがアップルの新製品発表会で
「i-cloud」の発表をしたのは先週のことです。
基調講演を聴く。
タイトルは「デジタルサイネージの次世代展開」
妹尾堅一郎、
東京大学知的資産経営統括寄附講座特任教授
独立非営利活動法人産学連携推進機構理事長
という長い肩書を持つ先生です。
国家が今後の指針となる、
「国際標準化特定戦略分野」(7分野15項目)
というのがあります。
これを見ると、この国が今後向かって行きたい
方向が示されていることがわかります。
1、先端医療(ips細胞などを初めとした医療)
2、水
3、次世代自動車
4、鉄道
5、エネルギーマネージメント
(スマートグリッド、省エネ、蓄電池)
6、コンテンツメディア
(クラウド、3D、次世代ブラウザ、そしてデジタルサイネージ)
7、ロボット
ということになっていいます。
これを見てもわかるように未来へ向けて
デジタルサイネージというのは、
重点戦略の分野なんだ!ということがわかります。
妹尾先生はここから日本の進むべき道を国家に提言しています。
その書類は厚さ数十センチにもなる膨大なものらしいのです。
この講演では、このような状況から
デジタルサイネージはどうなっていくのか?
どのようなビジネスモデルがあるのか?
ということを考えてください。
という提言が行われました。
結果は個々がビジネスモデルを構築し実行し、
その中から成功をするものが出てくる
ということを繰り返すしかないということでした。
今後、デジタルサイネージは、
官民共同の社会インフラにもなりえるとおっしゃっていました。
丸ノ内線の「新宿御苑前駅」などに設置されている
改札前の大型モニターは
まさにそのような機能を果たしています。
(現在は、列車遅延情報と電力使用量そして天気予報が中心。)
と、同時にサイネージにとって必須である
電力とネットワークの確保というのが
緊急時には必要になってきます。
そういった災害に強いサイネージが町の各所にあれば、
携帯が通じず、停電になったとしても、
災害時の情報がそこに呈示されることも可能になります。
どのようなモデルを、
いかに構築していくのかというのが
今後のわたしたちの課題です。
ネットワーク、デジタルデバイスインフラ、
コンテンツインフラ、
この三つが複合されたものがデジタルサイネージの特徴です。
その中のどの企業や個人が新たなビジネスモデルを開発し
プラットフォームを構築するのか?
ということが、今後、ますます問われてくるのかもしれません。
奈良の吉野から奈良市内へ電車で戻っていた妹尾先生は、
窓外にある1本の桜が満開なのを見ました。
夜だったので電車が通過するたびに
ライトアップされるシステムを作ればいいな
と思ったらしいのです。
これも、ひとつのデジタルサイネージと言えるのではないか?
とおっしゃっていました。
可能性をとことん追求し広げていくということも
重要なことなのかもしれません。
最後に妹尾先生は
アップル(いや、スティーブ・ジョブス)の
これまで行って来たビジネスモデルの方法を呈示して、
そこから何か推測出来るものがないか?
というようなことを暗示してくれました。
「i-cloud」とデジタルデバイス(i-phone、 i-pad 、macなど)を
組み合わせた先には一体何があるのだろうか?
こうしたことを考え続けるというのも
広告クリエイターの仕事です。