【スタッフこぼれ話】映画をみると
2011年4月27日 14:33
ふと震災の後、久しぶりに大友克洋さんの「AKIRA」を観ました。
言わずとも知れたSFアニメの金字塔で、公開は1988年。
私は中学生の時にTVで観たのが最初でした。
かっこよくて今まで何度見直したか分かりませんが、久々に見たら今の不安な情勢とあいまってか
「恐ろしい映画だな」とまた違った見方になりました。
発達したきらびやかなビル群の間を対照的に暗い道路を不良少年たちがバイクで駆け抜ける街の様子が
今の少し暗いトーキョーと劇中のネオトーキョーが重なります。
アフレコではなくプレスコと呼ばれる音を撮った後に画が作成されたという事を今回調べて初めて知り
ました。
それがまた不良少年たちの悪ーい感じを出していてほんとに音声、音楽も素晴らしい。
23年前の作品とは思えない!
映画というのはどんなものでもメッセージが含まれているものと私は思います。
アキラでいえば、人間の手中に収まらない力をコントロールしようとして出来ない恐怖があることを伝えているのでは
と私は思っているのですがどうでしょう。
なんだか今の世界とも通じる気がしませんか?
そんな話を映像クリエーター科の映画マニアの宮田講師と話していると
宮田さんは震災をきっかけに黒沢明の「夢」を思い出した、と話してくれました。
日本中にある原子力発電所が地震によって次々崩壊していくという下りがあるとか...。
恐ろしいですね、ちなみに「夢」の公開は1990年です。
私は未見なのですが(映像編集者としてはどうかと思いますが許してください。)今度観たいと思っています。
楽しくて面白い映画も大好きですが、せっかく映像の勉強を始めたみなさんには
いろいろメッセージ性の強い作品もどんどん観てほしいと思います。
主張の手段を「映像」という手法に託した人々がたくさんいるのです。
作り手のメッセージに共感するのもいいですし、自分はそうは思わない!という作品があってもいいのです。
この人はどういう事を言いたかったんだろう、と考えるのもまた面白いものです。
そして考えた末、自分の考えが出てきたなら是非アウトプットして作品にしていって欲しいと思います!
(映像クリエーター科 Abbey)