【声優】生徒実習って何するの?
2017年10月24日 10:42
声優科では「生徒実習」として現場に出ることがあります。
ではこの「生徒実習」では何をしているのでしょうか?
先日の「生徒実習」の様子をご紹介しましょう。
今回は劇場公開作品のガヤに当校の生徒を起用したいとの依頼でした。
男女合わせて10名がスタジオ入りしました。
<イメージ>
いわゆる「アフレコ」では、原音があるものに日本語を入れるものと
原音が無く音声だけを入れるものがあります。
前者は外国作品の吹替、後者はアニメ作品が代表的です。
今回は後者でした。アニメではありませんが、劇中のパニックシーン
に必要な叫び声等の収録です。
しかも、そのシーンは人々がゾンビに襲われるという入り乱れた状況です。
まずは映像を見せられ、シーンの状況を把握します。
その中から誰かを決めて自分なりに合わせていきます。台本はありません。
雑踏の中での人々の会話、ゾンビが出現して人々が逃げ惑う叫び声、怯え、悲鳴。
ソンビのうめき声、攻撃する声、やられた時の声。
原音はありませんので、映像から想像して声を生み出すことが要求されます。
同じシーンの中で役を変えて何回も繰り返します。
更にオンリーで(映像無しで音声だけで)様々なバリエーションを録ります。
ディレクターさんからは、様々な指示がありました。
ガヤが悪目立ちしないように、そのシーンの空気感を出して...
やられる時は、思いきりやられて...
高めの音ではなく、低めの音で...
同じセリフばかり言わないで...
また、決められた台詞がある場合には、
叫びながらもちゃんと台詞が聞こえるように...
実際に参加した生徒の皆さんに感想を聞いてみました。
『その場に適したガヤを入れるには、状況を把握する力、想像力、アドリブ力が必要だと実感しました。』
『2時間以上叫び続けられる発声と集中力を持続することの大変さを痛感しました。』
『言葉ではない台詞の難しさを痛感しました。』
『引出しが少ない。』
やはり現場で学ぶことは多いようです。
「生徒実習」では現場体験をすることで、お仕事の現場に入るには
どんなことが身についていなければいけないかを知ることができます。
現場で感じたことを教室に持ち帰り、スキルアップに活かすことができるのです。