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【スタッフこぼれ話】「ジジイなってもかっこいい」 ----ロバート・デ・ニーロ-------

2014年6月 5日 14:02

最近、「リベンジ・マッチ」という映画を観に劇場へ足を運んだ。ロバート・デ・ニーロとシルベスター・スタローンが、最後の勝負のために30年ぶりかにリングに上がる老齢のボクサーを演じている。
この映画は、デ・ニーロは「レイジング・ブル」スタローンは「ロッキー」で強烈にボクサーの役を演じたのを彷彿させる狙いがあることはいうまでもないだろう。

二人が必死に体をしぼって奮闘している様はけなげでさえあるが、それなりに見ごたえがあった。
それよりもタイトルロールの後に、マイク・タイソンとイベンダー・ホリフィールドのインタビューシーンがあり、貴方たちも世界ヘビー級の「リベンジ・マッチ」をやるか?の質問に、一人が即座に"NO"というシーンは、アメリカ映画独特の洒落が聞いていて面白かった。ちなみに、この二人には「耳かみ事件」があり、これによりタイソンが1年間ライセンスを取り上げられたことがあった。

それはさておき、デ・ニーロは1973年「ミーン・ストリート」の監督マーティン・スコセッシとのタッグを組んだ映画で無軌道な若者を演じ、一躍脚光を浴びた。
それからは1974年「ゴッドファーザーPARTⅡ」でヴィトー・コルレオーネの青年時代を演じ、1976年「タクシードライバー」ではベトナム戦争から帰還した若者を演じ、続いて1978年「デイア・ハンター」でもベトナム戦争で深く傷を負った若き3人の帰還兵の一人を演じている。
そして、1980年の「レイジング・ブル」につながっていく。デ・ニーロが壮絶な男の生き様を四角いジャングルに叩きつけた。引退後のシーンのため25キロ体重を増やしてまで破滅型の主人公を演じきり、アカデミー主演男優賞を受賞することになる。
彼には1987年「アンタッチャブル」のアル・カポネ役で前髪を抜いてまで迫力を出すことに専念した話もある。
このように徹底した役作りは「デ・ニーロ・アプローチ」と称され、若手俳優たちのお手本になっている。

それにしても、あの片方の頬をわずかに歪めてニヒルに笑うカットは、デ・ニーロ作品では必ずどこかに出てくる。それに秘めた存在感は抜群であり、ここに挙げた作品の中の若き日のデ・ニーロは秀逸である。
もちろん、現在70歳を超えているデ・ニーロも渋みを増し、食事や運動に気を使っているだろうから「ジジイになってもかっこいい」と言われている。
人は皆、こうありたい。

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