【映像翻訳】映像/広告クリエイター科 担当が、「映画翻訳入門」を読んでみました!
2013年7月10日 10:26
映像テクノアカデミアに「映像翻訳科」という学科がある。
この学科で教えているのは外国の映画やドラマ、
ドキュメンタリー番組などに字幕をつけたり
日本語版の吹替の翻訳をすることである。
この学科の学科主任である鈴木吉昭講師からこの本をお借りした。
読んでみると映像翻訳者の仕事はとても華やかなようでいて、
なかなか大変で難しいということがよく分かった。
ある意味、映画(動画コンテンツ)のコンテキストを深く理解して
それにもっとも有効な日本語を探してこなければいけない仕事である。
もちろん、原文が、あるのだが、それだけにとらわれていると、
見ている人に日本語でうまく伝えられなくなるという場合もある。
そのときに、どのように省略したり言い換えたりするのかが
字幕翻訳者や吹替翻訳者に求められるのだということがわかった。
それは、ある種の創作活動であり、とても難しい作業だ。
また、ある意味では、音楽のアレンジャーの仕事とも似ていると感じた。
高度な専門職である。
先日「10年後にも生き残る仕事」というような本を読んだのだが、
まさにこの映像翻訳という仕事はそこに含まれるんじゃないか?
高度な日本語力が問われ、そして高い専門性があるから。
そして同時に、面白いコンテンツに長時間浸っていられるのだから、
「大変で難しい」というハードルを乗り越えれば、
実はとっても素敵な仕事である。
どこでも作業ができ、長く年をとってもできる仕事にもなる。
たとえば、子供をもちながら空き時間で字幕翻訳を
自宅のパソコンで行うとか、土日や夜の時間だけ吹替翻訳を行うとか?
そういった労働スタイルもこれから、出てくるのではないだろうか?
とも感じた。BSやCS放送、CATVなどの普及により多チャンネル化が進み、
そこで放映する映像コンテンツは劇的に増加している。
海外からの番組を、日本語にする作業というのが、
それだけ増えているというのも事実。
映像テクノアカデミアの録音スタジオでも劇映画から、
海外ドラマ、ヒストリー・チャンネルの海外ドキュメンタリーなどの
多様な仕事が入ってくる。
それらの動画を楽しみながら、事実関係などを調べて字幕や
吹替にしていくのはとても楽しくやりがいのある仕事である。
しかも、こうした作業で得た知見や教養が次の仕事に活かされる。
学べば学ぶほど映像翻訳者としての技が上達し、
年をとってそれが積み重なることによってさらに上手に
翻訳ができるようになるのだろう。体力よりも知力。
知力は40代、50代、60代といくにしたがって強くなっていくもの。
やる気さえあれば永く続けられる仕事。
そして、いつも思うのは映画を見てクレジットの最後に出てくるのが
翻訳者の名前であるということ。
これだけでも映像翻訳者ってすごいなあと思うのですが、
みなさんはいかがですか?